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LIFE@ Blog アクアリウム 追肥についての仮説実験

アクアリウム  


今回の記事は、趣味のアクアリウムについての実験レポートです。

1月初頭にヘアーグラス・ショートヘアーグラスをメインにして立ち上げた60cm水槽ですが、ランナー(地下茎)を伸ばす勢いがどうも遅く、1ヶ月経っても底床を覆うまでに至っていません。
それどころか水草の色についても、植栽時は鮮やかな緑色だったのに、日が経つごとに色緑色が濃くなり、写真のような暗緑色になっています。

ヘアーグラスは過去に何度かレイアウトに使ったことがありますが、どちらかというと大した苦労を要せず育つ水草というイメージを持っています。そんな中でこういう現象は初めてで、「これは一体どういうことやねんな」と思ったわけです。

そこで考えてみることにしてみました。以前にレイアウトしたときと何が違うのか?
違うことといえば、使用している底床です。

【これまでの底床】
・ADAのパワーサンド
・ADAのアマゾニア2(パウダータイプ)
【今回の底床】
・使い古したリングろ材
・ホームセンターで購入した天然軽石にピートモスをまぶしたもの
・マスターソイル(ネットでの評判が良かったので)

ぱっと見ると「ADAの製品なのか否か」という違いですが、せっかくだからもう少し調べてみることにしましょう。
市販されている数々のソイルは大きく分けて「栄養系ソイル」と「吸着系ソイル」の2つに区別されるようですが、どうやらアマゾニアは「栄養系」でマスターソイルは「吸着系」に属するようです。
本来ソイルには陽イオン交換による吸着能力が備わっており、生体にとって有毒なアンモニアイオン(NH4+)や硬度上昇の元になるマグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等の濃度を下げる作用があるのですが、「栄養系ソイル」には吸着能力の限界近くまで栄養分となりうる陽イオンを含んでいるということなのだと思います。アマゾニアは亜硝酸や硝酸の濃度が落ち着くまでに結構な時間と手間が必要ですしね。

とすると、現在使用しているマスターソイルは「吸着系」であるため、これまでに使用していたアマゾニアほどには栄養分を供給できていないのかもしれません。

では、具体的にどの栄養分が足りていないのでしょうか?
一般的に植物の成長には以下の栄養分が必要であるとされています。

・必須元素・・・窒素(N)、リン(P)、カリウム(K)など
・微量元素・・・鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)など

この中で、欠乏することで今回のように水草が暗緑色になるものは何かを調べてみたところ、どうやら必須元素であるリンに原因があるのではないかと思いました。

■リン(P)
ATPを生成し、エネルギー代謝や各種物質の合成に使用。
また、核酸・核タンパク質・リン脂質などを構成する。
成長の多い植物はPの要求量が多く、流転しやすい為、欠乏症状は古い部位にでる。
(ATP:エネルギー保存・利用・移動に関する物質、通称:生体のエネルギー通貨)

日本土壌やソイルの原料である、火山灰土(黒ぼく土)にはアロフェンが含まれており、
アロフェンはリン結合性が高いので、リンを吸着する性質がある。

【欠乏症】
  全体が暗緑化・赤紫化し、新芽やランナーの成長度が減少。根の粗大化。
【過剰症】
 一般的な過剰症はないが、亜鉛・鉄・マグネシウムの欠乏を助長する。

ブログ「Aqua.n.te」より引用

では主にリンを多く含んだ肥料を与えれば、状況は改善されるのでしょうか?
実践された方はおられないかとネットを検索してみたものの、決定的な記事は見つかりませんでした。

こうなると自分でやってみるしかありません。ということで、実験してみることにしました。



とりあえず追肥するものとして用意したのは「マグアンプK」という園芸用肥料です。この肥料には窒素、リン、カリウムが6:40:6の割合で配合されています。
ネットの世界ではこの肥料を底床に埋め込んだり混ぜたりして使用されている方もいらっしゃるようです。
しかしながら、リンはアオコや黒髭苔の発生原因となる元素、量や使い方を間違えるとコケの大発生に繋がりかねません。またアンモニア性窒素も僅かではあるものの含まれている事にも要注意です。(どちらかというと、アクアリウムで使用には向かないとする記事を見ることの方が多いです)

もちろん、このままの状態で底床内にねじ込むわけにはいきません。それこそ崩壊へまっしぐらです。そこで、職場の近くにあるドラッグストアでこんなものを購入しました。



空カプセルです。風邪薬のコン○ックなんかで使われているアレです。
こんなの購入したのは初めてですよ。一般人がこういうものを購入することはまずないですよね。
それにしてもドラッグストア量販店って凄い、こんなものも販売してるんですね。



購入したマグアンプKは中粒タイプだったため、サラサラとカプセルの中に詰めることができずに一粒ずつピンセットでつまんで詰め込みました。小粒タイプを購入していればと少し後悔しました(苦笑。



作ったカプセルは底床の赤丸部分に、一粒のみ深めに埋め込みました。
「コケ大発生や生体死亡のリスクを考慮して」というのが一番の理由です。また「リンが欠乏している」という仮説が正しいかどうかの検証のためでもあります。

これからの変化がどう出るのか、楽しみである反面、不安でもあります。
どうかコケ地獄にならないことを祈っています。(もうすでにネガティブ)


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