いきなりですが昔話です。かつて私が育った家庭は決して裕福ではなく、何かと親に金銭的な苦労をかけまいと気を遣いながら私は学生時代を過ごしていました。小学校の図工の授業で必要だからと親に頼んで買ってもらった彫刻刀なんかね、高校を卒業するまで小まめに手入れして使っていたのを今でも覚えています。
大人になった今、ネットで欲しい物を見つけるとすぐにポチッと購入してしまう性分は多分、その頃の反動かと(笑。…いやいや私が言いたいのはそういうことじゃくて(大笑。
自分も含めて誰かが物を粗末にしている場面を見ると、黙っていられない性分なんです自分。
そんな私の目の前で一人の生徒さんがね、間違った行動をとってしまったのです。彼は行動を急ぐ気持ちのあまり、結果的に皆の前で自分の持ち物を粗末に扱い、私をがっかりさせました。私は授業を始める前に、彼自身がとった行為が周囲を不快にさせる間違ったものであることを諭し、私自身のがっかりした気持ちを伝えました。またほかの生徒たちには、最近は身のまわりにある「あたりまえ」への感謝の気持ちを忘れた行動に走ってはいないだろうかと問いかけました。
その後、担任の先生からお話を聞いたところ、私が思っていた以上にその学級の生徒たちは私の言葉を真剣に受け止め考えていたようです。また、私が諭した生徒に至っては、間違った行動を取った自分自身を責め、落ち込み、肩を落として帰っていったとのことでした。
それを聞いたとき、私の目には涙がこみ上げました。確かに彼が取った行動は決して誉められるものではありませんでしたがその後、彼は私の言葉を真摯に受け止め、自分自身と懸命に向き合っていたのです。かつて誰かが「行動に間違いがあったとしても、人格に間違いなどない」と言っていましたが(SMAPの草薙さんが素っ裸になって騒ぎになったときでしたっけ)、本当にその通りですよ。私はそんな彼の姿勢と心を素晴らしいと思います。同時に彼の心を傷つけていたことに気づけなかったことを深く後悔しています。まだまだ青い。もしかすると今も彼は落ち込んでいて、休み明けも肩を落としているのかもしれません。そんな彼に、少しでも早く声をかけてやらねばと、そう思っています。
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